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麻生総理が動画で経済対策を説明
麻生総理自身が登場して75兆円の経済対策を動画で配信し始めた。YouTube、ニコニコ動画でそれぞれ観ることができる。



このブログでも書いてきた通り経済対策の大半は金融政策。特に銀行の健全化に費やされている。麻生総理は事業規模が「世界最大級」と自画自賛してるがそれはちょっとおかしい。確かに先日アメリカの議会で可決されたオバマ大統領の景気刺激策よりも金額が多いように見えるが、それは中身が全然違う。アメリカの場合、金融政策には2兆ドル規模を予定しており、世界最大級は言い過ぎ。むしろ景気刺激策としては”こじんまり”としている。

ちなみに同日に発表された内閣府の2008年10―12月期のGDP速報値では深刻だ。前期比3.3%減、年率換算で12.7%減。35年ぶりの減少率というから、記憶に新しいバブル崩壊よりも問題が大きいことが分かる。バブル崩壊の時は金融や不動産関連がポイントだったが、製造業は世界のトップクラスで元気があった。あの時と様子が違うのではないだろうか。

かといって民主党の政策もはなはだ不安だ。麻生総理だけでなく民主党が政権を取ったらどうしたいかチェックした方が良さそうだ。

自民党政治の終わり (ちくま新書)
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野中 尚人

| category: 麻生内閣の経済政策の中身 | author : 小野雪風 |
オバマ大統領の景気対策 - 麻生内閣との比較
オバマ米大統領が進めてきた景気対策法案が上院下院ともに可決した。総額7870億ドル。現在のレートで約72兆円。ただし、これは麻生内閣の経済政策のメインである金融安定対策に当る部分は含まれない。本来的な景気刺激対策としてはアメリカの方が遥かに金額ベースでは多いことになる(これまでも書いた通り、麻生内閣の経済対策のほとんどは金融安定対策)。ちなみにガイトナー財務長官が2月10日に2兆ドル規模の金融安定化策を発表したばかり。

■法案の目的
・今後2年間に350万人分以上の雇用を保護あるいは創出する。
・企業と消費者の支出を刺激する。
・継続的な経済成長と繁栄の基礎を築く。

■対策
・高速道路などのインフラ投資に約1200億ドル(約11兆円)
・再生可能エネルギーに約200億ドル(約1兆8000億円)
・米国の送電網の近代化に約110億ドル(約1兆円)
・95%の世帯を対象とした減税
・低所得層への医療の拡充
・地方行政への支援


当初からルーズベルトのニューディール政策を意識していたオバマ大統領。伝統的な公共投資に加えECO関連への投資も進める。「グリーン・ニューディール」なんて言われたりする所以だ。「脱化石燃料」と共に地球温暖化対策も兼ねるのがポイントか。一部で「バイ・アメリカン条項」が報道されたが、環境分野で日本企業が手を携えることができる分野は大きいハズ。日本側から積極的なアプローチをすべきだろう。また、中東の石油に依存する体質を改善しようとする決意はブッシュ時代との大きな違いだ。

テレビで観たところでは、この法案に反対する共和党議員が「この法案は1000ページ以上もある。国民が検証する時間がない」と紙束となった法案を放り投げるシーンが放映された。麻生内閣の経済対策もそうだけれど、こういった内容って本当に国民が細部まで伝わっているのか気掛かりだ。そこは流石というか、選挙からインターネットを有効利用してきたオバマは今回の法案について「前例のない説明責任と透明性」で予算を執行しなければならないと強調している。そこで、国民が法案の内容は進捗を監視できる専用サイトを設置することが発表された。日本でも情報公開は随分と進んできたが、そこはお役所仕事。縦割りの官庁単位での報告書が丹個々とPDFでリリースされているパターンが多い。今回の経済対策のように管轄省庁が多岐に渡るようなケースは包括的な「まとめサイト」がアメリカの様に欲しい。

まあ、国が違えば対策も異なるので単純比較はあまり意味が無さそう。ただ、ECOをキーワードとした持続可能社会の実現に向けた動きは一致しているようだ。日本では消費刺激策として定額給付金を審議中だが、アメリカの場合は所得税の減税を行う。また、日本では橋や道路などの公共事業への投資は反発が大きいため、建設関連業への投資は倒壊の危険性のある学校支援という形を取っている。

なんかこう・・・国家戦略として育成する有望産業を絞って集中投資したらどうだろうかと思ったりする。
| category: 麻生内閣の経済政策の中身 | author : 小野雪風 |
麻生内閣75兆円の経済対策を振り返って - 第5回
麻生内閣の経済政策75兆円の中身をチェックしてみるの第5回目。これまでは概要と三本柱ごとに見てみたので、全体を俯瞰してみたい。

で、結論は至ってシンプルだったりする。麻生内閣の経済政策の中身は金融政策そのものである。何しろ75兆円の中で金融措置に63兆円も突っ込むのだから。割合にして84%。公共投資の是非がどうとか定額給付金、高速道路料金の値下げなど、極めてごく僅かなパーツでしかないことが分かる。もちろん、何兆円という金額は莫大ではあるが・・・。

予算を通す都合上なのか三本柱の中でも内容が交錯してしまっていて、ネットで公開されている政府や財務省の資料では理解するのに不十分だったりするのが実情。だが、その中身は概ね一定の方向にきっちり向かっている。

(1)金融機関、とりわけ銀行への政府の関与を高める
(2)銀行の株式持合いを更に解消させ、株式市場に影響されない体質へ
(3)目的は銀行を助けるためでなく、貸し渋り・貸し剥がしを防ぎしっかり融資させる

とにかく市中にお金を流すことに話は尽きる。そして、リスクが高かったり外的要因で不安定にならないよう政府が監視したり経営に指図する体制。国営の銀行だけが存在する社会主義の国のようだ。だが、あまりにも自由奔放な金融工学によるモラルの欠如した振る舞いに世界はノーを突きつけたのが昨今の流れだと思う。行き過ぎた資本主義、言い換えると資本”至上”主義を否定したパラダイムシフトが世界的に今起きている。そう考えれば、一定の競争原理を持ちながらも、節度ある管理を金融に求めることは間違っていない。銀行の体質がより安定することで、民間への融資が潤沢になれば景気が浮揚するのかも知れない。

だが、しかしである。銀行の体質強化だけでは不十分である。銀行に投下されたお金が融資に回らなければ意味がない。これだけの大金、しかも税金を投入するのだからその「効果測定と進捗の把握」は不可欠だ。当然、”出資者”たる国民はその結果を知る権利がある。莫大なお金を突っ込んで、「なんとなく景気回復しました」で良いわけではない。いや、それは希望的観測かも知れない。製造業のマーケットである海外の景気冷え込みが長引けば効果が現れずに、国の借金だけ増えてしまえば洒落にならない。

その一方、営利企業としてリスクが高かったり将来性が見込めない投資案件に融資すべきではないのも事実だ。何がなんでも既存の企業にお金を注ぎ込むことはおかしい。ニーズが無くなった企業は淘汰され、ニーズを提供できる企業が生まれなければ本当の景気刺激にはならない。自由な融資は銀行の肝であるし、その裁量は銀行の命だ。そういうデリケートで複雑な部分をどう評価するのか。マクロ的な金額ベースでは見えてこない世界があるのではないだろうか?

今回の麻生内閣の経済政策として金融対策は安直な公共事業投資を行うよりは筋が良い対応だ(国から民間に財が移るというようなマクロ的な話はどーでも良い)。高速道路の料金値下げとか定額給付金は全体から見れば”仔細な話”かも知れない。新しいアイデア、品質改善、コストダウンなどを民間企業にもたらす融資に繋がれば実にハッピーだ。ただ、体質が改善された銀行だけが一人勝ちして終わってしまえば滑稽な結末だ。そうならない為に、どう国がチェックしていき、国民が進捗と効果を知ることができるかが大きな課題のままだ。

筋は悪くない。あと一歩踏み込むことが必要だ。マスコミは麻生叩きばかりでなく、金融対策の中身の検証をもっと広く行っても良さそうなのだが・・・。

という感じで麻生内閣の経済政策を振り返ってみた。そうこうしているうちに、麻生総理の「郵政民営化には反対だった」発言を機に小泉元総理が反撃の狼煙を挙げたようだ。これにより麻生政権の存続すら問われそうな気配である。オバマ大統領が90年代の日本は対策が後手後手に回って、失われた10年を迎えたと発言したが、このまま予算すら通らなければ対策が遅れかねないのが心配だ。
| category: 麻生内閣の経済政策の中身 | author : 小野雪風 |
麻生内閣75兆円の経済対策・生活対策の巻 - 第4回
麻生内閣の経済対策について中身を調べてみるシリーズの第4回目。今回は「生活対策」について。75兆円の内、26.9兆円を占める。ざっくりまとめると以下の内容。

 定額給付金、緊急保証・貸付、高速道路料金引き下げ
 地域活性化・生活対策臨時交付金、医療・介護・福祉対策など


何故か生活対策に関する資料で良いものがない。予算ではなく事業規模だったり、あちらこちらに分散されていたりだ。また、資料によっては他の政策と重複したり、付け替えられたりとかなり混乱。官邸資料「景気対策3段ロケット」なども簡単にまとまっているように見えるが、具体的な政策との紐づけはさっぱり判らない。この辺も資料として参照した。

(1)定額給付金の実施 ・・・ 2兆円
 麻生内閣の経済対策の目玉とされてしまっているのがコレ。75兆円に占める割合は2.6%。2兆円を上限として生活支援を目的に国民に”給付”される。一人当たり1万2千円で、65歳以上もしくは18歳以下の子供は一人当たり2万円になる。給付金の支持者には「海外でも給付金はやっている」なんてコメントがあるが、どうにも納得いかない。
 そもそもは公明党の”強い要請”による弱者救済を目的とした税金のバラマキだったが、途中から景気刺激策となって矛盾が生まれてしまった。景気刺激策ならば所得税を減税して、お金を働いて稼いでいる人が消費しやすいことを行うべきだろう。だが、そうすると所得税を納めていないような人たちにはお金が行き渡らない・・・。そのために中途半端なバラマキ型を取らざるを得なくなっている。更には、給付方法は地方自治体に丸投げというお粗末な状況だ。年度内の給付を目指した動きもあるが、とても間に合わないと悲鳴を上げる自治体も少なくない。
 最悪なのは定額給付金がもたらす経済的な効果。例えば大和総研によるとマクロインパクトは2兆円の1〜2割程度だという。皮肉にも政府埋蔵金を財源としているから、政府から民間の資産になる分まだマシだという・・・。コストの割に中途半端な効果しかないのだから情けない。
 ちなみにバラマキが大好きなダメ政党「公明党」は以前政権に関与していた1999年に「地域振興券」というバラマキを実施し、6194億円が当時ばら撒かれた。一人当たり2万円。経済企画庁によると地域振興券によって2000億円程度GDPを押し上げたとしている。ただ、調査対象者が振興券を受け取った人に限定されていたり、大半が貯蓄に回っていたことが明らかになっている。その効果や調査が妥当であるか疑問点も残る。定額給付金の場合は地域振興券のようなクーポン券だから、ますます貯蓄に回り消費されない可能性が高いのは自明の理だ。
 社会保障の充実か景気刺激策どちらが本題なのか。そもそも政府資産は元々国民のものだ。それを「給付」などと言ってバラマク態度が許しがたい。弱者救済なら生活保護の予算拡大と支給条件の緩和を行えばいい。景気刺激策ならば所得税や消費税、あるいは特定の産業振興を目的として自動車税や不動産取得税を減税するのも手だ。ひょっとしたら地デジ対応テレビあるいは従来のアナログテレビでも地デジを観れるコンバーターなどの購入支援クーポンなんて面白いだろう。日本を支える製造業を応援できるような政策が欲しい。

(2)自治体による雇用機会創出 ・・・ 4000億円(基金)
 雇用創出基金を設立し、地方自治体が失業した非正規労働者や中高年者に”一時的”雇用機会を作る「緊急雇用創出事業」を実施する。ただ、既に実施されている地方自治体の募集には応募者があまり集まっていない。期間限定の一時的な条件や単純労働が敬遠されている可能性が高い。

(3)妊婦検診の無料化 ・・・ 800億円
 本来は少子化対策の一環だった。何でコレ今回の対策に盛り込まれてるの?という疑問が。妊娠から出産までの妊婦検診を公費で負担する。これまでは無料検診の回数が自治体によってバラつきがあった。今回は対象外だと思われるが、公的医療保険から給付される出産一時金増額も計画されている。

(4)離職者への住宅・生活支援
 正月には民間から発生した「派遣村」を厚労省が引き継いだりした。国家公務員宿舎の中で一定期間貸し出せる物件について貸し出すなど。助かる人もいるだろうが、かなり限定的なもの。

(5)保障・貸出枠の拡大
 これは前回のエントリーでも書いた内容と重複。(予算案通過の都合上か?)

(6)金融機関への資本注入枠拡大
 これも重複。

(7)地域活性化交付金 ・・・ 6000億円
 地域活性化を目標とした事業を地方公共団体(都道府県と市場村)が国に予算申請を行い、内閣府が承認した事業について交付金が交付される。所管省庁ではなく、内閣府が主導権を握っているのがポイントか。交付金というのは補助金のことで、公共団体の規模によって限度額が設定されている。

 【交付限度額】
 (都道府県分) 概ね1団体当たり1,500万円〜5,000万円程度
 (市町村分) 概ね1団体当たり500万円〜3,000万円程度


 交付対象の例としては「離島航路維持」「保育サービス充実」「農林水産業支援」「学校の耐震対策」「情報通信基盤整備支援」などが挙げられている。官邸資料はこちら

(8)高速道路料金の大幅下げ ・・・ 5000億円
 民主党が反対している(民主党は無料化を打ち出している)。5000億円という規模も報道や資料によってマチマチ。料金の割引例は以下の通り。

 (平日)22〜0時3割引、0〜4時5割引
 (休日)9〜17時100kmまで5割引


 現在石油価格は政策を検討していた頃とは雲泥の差というかかなり割安。国会で無駄な議論をしている内に時が過ぎ去ってしまった。やるならスパっと政治決断すべきだった。また、道路公団は民営化されたハズだ。公団の営業努力による合理的な判断から値下げされるなら大歓迎だが、これを税金投入して実施するというのはどういうことだろうか?ドサクサに紛れて国土交通省が税金注入の道筋をつけようとした画策に見えなくない。「天下り」という言葉が頭によぎる。時期も逸したこの政策はダメダメだろう。

今回の政策の中で二重丸を付けたいのは妊婦検診の無料化ぐらいか。しかし、これは元々予定されてたものであり「経済対策」と言われると疑問符がつく。地域活性化交付金はこれからの事業。内容次第では大変良いこともあるだろうが、国の補助金で無駄なハコモノやサービスが地方に乱立した悪夢を思い起こしてしまう。高速道路料金の引き下げ、定額給付金は論外。

「生活対策」とある割には具体的に私個人の生活がどれだけポジティブになるのかと考えるとほとんど効果が無い気がするし、元々国の予算の中で実施すべき政策が多く「麻生内閣の経済政策」と言われても違和感がある。

麻生内閣の経済政策75兆円の三本柱「安心実現のための緊急総合対策」「生活対策」「生活防衛のための緊急対策」はいかなるものか、今回までのエントリーでかなりザッと眺めてみた。次回以降は全体を見渡したり、外国のニュースなんかと比較してみたいと思う。
| category: 麻生内閣の経済政策の中身 | author : 小野雪風 |
麻生内閣75兆円の経済対策・安心実現のための緊急総合対策の巻 - 第3回
麻生内閣の経済対策について中身を調べてみるシリーズの第3回目。今回は「安心実現のための緊急総合対策」について。これらは第一次補正予算で昨年の10月16日に成立している。金額にして11.5兆円。75兆円の経済政策では15%の割合を占める。財務省のドキュメントによると以下の項目が挙げられている。

緊急保証・貸付
防災・耐震等


まあ、これでは何だか判らないので政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議の資料を見てみる。日付は8月29日だから、今日の”肌感覚”とは差異があるのかも知れない。経済対策の理由はサブプライムローン問題に端を発した金融不安よりも前に資源・食糧価格の高騰があったりと円高の現在とは事情が違う部分も頭に入れておきたい。で、その内訳がこれ。

(1)「生活者の不安解消」 ・・・ 0.4兆円
 ・生活・雇用支援対策

 ・医療・年金・介護強化対策
  → 長寿医療制度における低所得者の保険料の軽減
  → 70〜74歳の医療費自己負担見直し(2割に引上げ)の凍結の継続
  → 長寿医療制度被保険者(被扶養者であった方)の保険料負担軽減の継続
  → 社会保障カード(仮称)実現に向けた環境整備


主に後期高齢者医療の評判の悪かった部分を凍結したり負担を減免しているようだ。「だったら最初からやってることがおかしいのでは?」という至極当たり前の結論に辿り着く。自分たちで老人負担増の政策を進めて置いて「不安解消」とは茶番。政治家と官僚の罪は重い。政府は転覆して欲しいくらいであるし、厚生関連の官僚も課長以上は全員辞めて貰って構わないと思ってしまう。むしろ、厚生行政の素人が海外の先進的な専門家の協力を仰ぎながら根本から変えてしまいたい

 ・子育て・教育支援対策
  → 介護人材の確保及び定着の促進、雇用管理の改善等
  → 「新待機児童ゼロ作戦」の集中・重点実施
  → 学校給食に係る保護者負担の軽減を行う地方自治体への支援


子持ち世帯への支援や介護産業への支援。ここ数年、介護の現場での”リストラ”は私の耳にも伝わってきている。むしろ、こちらは徹底的に強化して欲しい。与謝野さんはこの部分で何も実績がないのに増税だけを叫ぶ。国民の誰もが老後は何も不安がない状況を提示してくれるならば、消費税の増税など「国民は喜んで支持する」だろう。

(2)「持続可能社会」への変革加速 ・・・ 1.9兆円
 ・低炭素社会実現対策
  → 環境エネルギー革新的技術の開発加速
  → 省エネ・新エネ設備等の導入加速


「低炭素社会」とは地球温暖化の原因とされる説がある温室ガスの排出が少ない社会のこと。ECOをキーワードとする今後の重要課題だ。アメリカのオバマ大統領もこの点を重視しており、「精神的な理想」の実現ではなくより大きなビジネスチャンスと捉えるべきだろう。

 ・住まい・防災刷新対策
  → 住宅ローン減税の延長・拡充
  → 倒壊の危険性の高い公立小中学校施設の耐震化事業支援


経済対策以前の問題のような気もするが、政治家からみればこれは建設業への支援とつながる。無駄な道路や不要な工事を増やすよりは納得いくか。

 ・強い農林水産業創出対策
  → 農地の確保・有効利用(集積、耕作放棄地解消等)
  → 企業型経営の拡大


製造業と比較して国際的な競争力に欠け、効率が悪いとされる産業への支援。食糧自給率改善の為にも大切。近年は手間暇かけた高級食材が中国を始め注目されつつある。ブランド化することで農産物などが国際的な競争力を持ち得る可能性もある。ただ、劇的に効果が出る訳ではないだろう。また、世界的な農業のグローバル化による弊害も大問題となりつつある。

(3)「新価格体系への移行と成長力強化」 ・・・ 9.1兆円
 ・中小企業等活力向上対策
  → 中小・零細企業向けの資金繰り対策
  → 下請け事業者保護
  → 燃料負担の大きい特定業種への支援


緊急という意味合いでは納得の部分。ただし、更なる具体的な内容や進捗・効果を検証しないと是非など分かるはずもない。とりあえず息をつないだ企業があることを望むが、景気の悪化は今しばらく続きそう。景気を改善させるテコとなる要素はあまりない

 ・地方公共団体に対する配慮
  → 道路特定財源の1 ヶ月分の地方税収減に対する財源措置


野党と激しいやり取りのあった特定財源の一般財源化。これも実質、地方行政から要望が高いもので、建設・土木業への支援につながる。もっとも元々は税収の予定があったもので、プラス要素とは考えない。

(4)その他 ・・・ 0.1兆円


概ね、やらねばならない当然の内容が多い。老人福祉についてはそもそもの”失政”をとりあえず先送りしている程度で全く不十分。が、当面の対策としてスルーされるよりは遥かにマシではある。昨年の夏といえば解散総選挙が既定路線だっただけに、地方を意識した公共事業や中小企業、農林水産業への支援が目につく。決して悪くはないが、流れを改善するための手法でもない。ECO、ナノテク、IT、そしてエンタメなどの新しい産業への集中的でかつ国家規模の支援を打ち出すくらいの勢いと夢が欲しい。

これだけでも内容は多岐に渡り、各項目を深堀りするのはちょっと無理っぽい。これはマスコミやオンブズマンが各専門分野を追っていくことが大切と痛感する。もちろん、国会における野党の追及とチェック、そしてマスコミによる報道は欠かせない。総理の漢字読み間違いや「言った・言わない」に時間を取る暇がよくあるなと呆れる。また、政府のやっている内容で良い物が必ずあるはずだ。別に権力者に日和れとは言わないが、良い政策を正しく評価することも批判以上に大切だろう。

このエントリーを書いていたらアメリカの景気対策法案が2月10日に上院で採決へというニュースがあった。可決した訳ではないが、総額8380億ドル(約76兆円)の規模だという。内容が全く違うし、円高の影響も小さくないが、奇しくも麻生内閣の経済対策75兆円と金額だけは似ている。ちなみにアメリカと対策の目玉は最大400万人の雇用創出だという。

次回は「生活対策」について。この中に話題の定額給付金が含まれている。


| category: 麻生内閣の経済政策の中身 | author : 小野雪風 |
麻生内閣75兆円の経済対策・金融対策の巻 - 第2回
ちらほらと麻生総理の経済対策について書いていたら、面白い世論調査が行われた。共同通信社による全国電話世論調査によると麻生総理の経済対策に「期待しない」との回答が77.0%であった。「期待する」は19.4%。郵政民営化に関する一連の発言(小泉政権時代、個人的には反対だったなど)が影響したと共同通信社は分析している。

麻生総理が打ち出している経済対策に郵政民営化に関する話は一切関係していない。ある意味、世論調査とその分析としては成立しているかも知れないが、その実態は全く関連していない訳で、この調査は「麻生総理の評判調査」に過ぎない。麻生総理への不満は良く現われているが、政策の内容を吟味した評価ではない。こんな調査をやるなら「あなたは麻生総理が進めようとしている経済対策の内容を知っていますか?」という問いがあっても良さそうだ。定額給付金以外の政策をどの位知った上で「支持できない」と回答しているのか・・・。

さて、第2回目は「生活防衛のための緊急対策」の中で実施される「金融面での対応」について調べてみた。この金融面での対応には33兆円のコストを計上している。75兆円の内、44%もの割合を占める政策だ。大騒ぎになっている定額給付金は約2兆円を目途に検討されていることから、政策上何が目玉か我々は良く知った方がいいと思う。第1回目と重複となるが33兆円の内訳は以下の通り。

(1)金融機能強化法に基づく政府の資本参加枠拡大 ・・・ 10兆円
(2)銀行等保有株式取得機構の活用・強化 ・・・ 20兆円
(3)政策金融の「危機対応業務」発動・拡充 ・・・ 3兆円
(4)住宅・不動産市場対策 ・・・ 0.2兆円




(1)金融機能強化法に基づく政府の資本参加枠拡大
 簡単に言えば政府による金融機関への公的資金の注入条件を緩和した。これにより金融庁は破たんの危険のある金融機関に速やかに資本注入できるようになる。目的は中小企業に対する銀行の「貸しはがし」を回避することにあるが、単に金融機関の破たん回避が目的となる場合もありそうだ。つまり、社会的に存在意義が失われた金融機関を税金で存続させてしまう可能性があるということ。
 また、自己資本比率4%割れを基準として公的資金の注入を金融庁が判断する。公的資金を注入された金融機関はより厳しい監視下におかれ、”半国営化”に近い状態となる。国や金融庁の判断が誤ったり、金融機関の裁量や活力が奪われて破たんしてしまった場合、国民の税金で金融機関の負債を背負うことになる。いかにも「民間がだらしなくて国が面倒を見てやる」的な官僚視線を感じるが、本当は「金融行政の失敗」ではなかったのかという批判があってしかるべしだ。
 この政策についてはリスクに対する備え、信用に対する担保だから一概には効果を論じられない。国や金融庁のジャッジ次第といった所か。まるで備えが無いよりはマシではある。

(2)銀行等保有株式取得機構の活用・強化
 今回の金融不安・世界的不況はアメリカの金融不安が世界に拡散したことにある。麻生総理の口癖だが「日本の金融機関はあまり被害を受けていない」だが、それでも20兆円もコストをかけるのだから政策の実態と発言がかみ合っていない。
 日本の金融機関、とりわけ銀行は”株式の持ち合い”が大好きだった。それは銀行の企業に対する影響度の担保だったり、「物言わぬ安定株主」「敵対的買収に対する担保」を望む企業側経営者の思惑が理由だったりする。戦略的な提携などと喧伝されるが、内実は”後ろ向き”な経営者と銀行の思惑が交錯している。株価が安定・上昇していれば、これは両者ともWin-Winの関係を築ける。だが、ひとたび株価が悪化すれば業績にまで悪影響を及ぼす。特にあちらこちらで持合いをしている銀行は株式市場の全体的に悪化すると著しく影響を受けやすい。業績が悪化すれば銀行は自己資本比率低下の”大問題(つまり格付けの低下、破たんの危険、公的資金注入の対象になるなど)”に直面する。
 そうなると安定株主であった銀行がある日突然株式を売却してしまう可能性が高くなる。それ以上傷を広げないために・・・。このような事態は株式市場の株価低迷期に起きる訳だから、銀行の持ち合い株放出による株価低下に拍車をかけることになる。流石にそんなことになるとまずいので、政府は「銀行等保有株式取得機構」という組織を発足させた。

 銀行等保有株式取得機構は株価に影響されやすい銀行の株式持合いを解消するために存在する組織だ。銀行とその相手の企業から持合い株を買取り、ソフトランディングさせながら売却したり運用したりする。銀行によっては相手企業が手放した自社株を買い戻すことも可能になる。株を水にするとしたならば、水道の蛇口となって流れる水量を調整する役割だといってよい。諸々細かい点は以下にまとめた。長いので興味ある方だけ読んで頂ければ幸いです。

【主要業務内容】
 ・会員(銀行等)の保有する株式の買取り並びに当該買取った株式の管理及び処分
 ・会員の保有する株式の売付けの媒介
 ・銀行等以外の会社からの株式の買取り並びに当該買取った株式の管理及び処分

【業務フロー】
 ※業務フロー参照図

 ■株式を買取るための資金を借りる
  ・機構は金融機関から買取資金を借り入れる。これは政府保証付借入である
  ・機構は投資家から買取資金を借り入れる。これは政府保証付債券である。

 ■借り入れた資金を元に株式を買取る
  ・機構は会員(銀行等)が保有する株式と会員が発行した株式を買い取る
  ・機構は会員が発行した株式を保有する会社から買い取る

 ■買い取った株式の処分
  ・機構から発行会社に株式を売る(自己株式買取)。
  ・機構から株式市場に株式を売る。
  ・機構から証券会社等に投資信託などによる運用を委託。証券会社等は投資信託などで運用

【過去の実績】
 平成19事業年度 特別勘定 損益計算書



 で、この銀行等保有株式取得機構は平成17年で一旦株式の買取を終了している。それは株式市場の好転などがその理由だろう。今回の麻生総理の経済対策では株式の買取を復活させるというものであり、これに20兆円を投じることになる。機構の累計買取金額は2兆円に満たないから量的にはこれまでの比でないことが分かる。経済活動の背骨でもある銀行を健全化することで、大小を問わず有望な企業に資金を融資することで景気刺激となる寸法だ。理屈は良いのだが、問題なのはこの不況下というリスクが高い時期に銀行がリスク回避の為に貸し渋ると、銀行がいくら健全化しても無意味となる。なにしろ銀行としては保身に走ればそれ以上楽なことはない・・・。「監視」という言葉が適切ではないが、健全化を果たす過程での銀行の融資状況の進捗をどう把握し、(国からみて)不十分と判断した場合どうするのか?という点が問題となりそうだ。

(3)政策金融の「危機対応業務」発動・拡充
 政策金融機関は政府が出資した金融機関のこと。例えば日本政策投資銀行や住宅金融支援機構、商工中金などがそれ。商工中金であれば中小企業の金融円滑化が目的として多岐に渡る業務を行っている。住宅金融支援機構は住宅金融公庫を継承した組織で、住宅ローンの融資を受け持つ。今回の金融不安の影響を受けやすい中小企業や住宅を建てる人への支援となる。これに3兆円。やはり定額給付金よりもコストをかけている。

(4)住宅・不動産市場対策
 住宅金融支援機構による事業者向け融資。これに0.3兆円。

経済政策の44%を占める金融面での対応は金融機関とりわけ銀行の健全化が目玉だ。そして、健全化した金融機関が融資をちゃんと拡大していかないと意味を為さないことも見えてきた。

すると別の問題が見えてくる。我が国の代表的産業は何だろうか?それは農業でも無ければ、サービス業でもない。なんといっても、我が国の代表的産業は海外から資源を輸入し、それを加工して輸出する製造業である。今年に入って自動車産業、家電産業の代表的な企業が決算の下方修正・赤字転落を次々と発表している。トヨタにホンダ、ソニーにパナソニック・・・。これらの産業の低迷は決して資金繰りを理由としていない。円高とマーケットとなる海外の景気が冷え切っている為だ。銀行が健全化した所で買い手の需要が無ければ我が国の景気は良くならないことになる。海外がダメなら内需拡大を目指すのが道理だが、麻生総理の経済対策では生活や雇用に対する最低限のセーフティーネット的な物がメイン。内需拡大などというキーワードは無い。また、地球環境問題を視野に入れれば消費の拡大が本当に良いことなのかという根本的で矛盾しかねない疑問もあるだろう。

また、この辺は全般を見渡してから考えてみたいと思う。次回は「安心実現のための緊急総合対策」について。
| category: 麻生内閣の経済政策の中身 | author : 小野雪風 |
麻生内閣75兆円の経済対策の中身概略 - 第1回
アメリカの金融不安による世界的不況。正直、私個人の身近にもその足音はひしひしと迫っている。マスコミによる報道は麻生総理の漢字読み間違えの揚げ足とりと、与党と野党による「解散しろ・解散しない」の茶番なようなやりとりばかりだ。玉に特集するのが「気合い入れて取材しました」的な派遣労働者が雇い止めとなり住む所すら失った悲惨なドキュメント。

で、「その先はどうする?」ということが全く判らない。選挙もいいが、そもそも現行の麻生内閣がやろうとしてることは何なのかちゃんと知りたいと思った。調べたことをちょっとずつ書いてみたいと思う。

ということで第1回は75兆円の中身はどーなってるのか?を調べてみた。Googleで検索してみても総括的に検証している記事やニュースがあまりない。これだけ注目を浴びている事柄なのにかなり不安。75兆円についてはやはり政府系の資料が一番。以下は財務省の麻生内閣の経済対策の資料(PDF)からまとめた。

以下抜粋開始↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

麻生内閣における経済対策「当面は景気対策」

(1)安心実現のための緊急総合対策 ・・・ 11.5兆円
 緊急保証・貸付、防災・耐震対策など

 → 1.8兆円は第一次補正予算10/16成立

(2)生活対策 ・・・ 26.9兆円
 定額給付金、緊急保証・貸付、高速道路料金引き下げ
 地域活性化・生活対策臨時交付金、医療・介護・福祉対策など

(3)生活防衛のための緊急対策
 〆眄上の対応 ・・・ 10兆円
  雇用対策(年末対策[住宅・生活支援等]) ・・・ 1.1兆円
  雇用創出等のための地方交付税増額 ・・・ 1兆円
  経済緊急対応予備費の新設 ・・・ 1兆円
  税制改革(減税措置[住宅減税等])(平年度) ・・・ 1.1兆円
  「生活対策」の実現(上記の財政措置) ・・・ 6兆円

 金融面での対応 ・・・ 33兆円
  金融機能強化法に基づく政府の資本参加枠拡大 ・・・ 10兆円
  銀行等保有株式取得機構の活用・強化 ・・・ 20兆円
  政策金融の「危機対応業務」発動・拡充 ・・・ 3兆円
  住宅・不動産市場対策 ・・・ 0.2兆円

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合計(重複をのぞく) ・・・ 75兆円

財政措置 ・・・ 12兆円(対GDP比2%程度)
金融措置 ・・・ 63兆円

(注)諸外国における経済対策(財政措置)(対GDP比)
  米国:約1.1%(2月)
  英国:約1.4%(11月)
  欧州:約1.5%(11月)


以上抜粋終了↑↑↑↑↑↑↑↑

まあ、これ読んで「これで安心!」と思う人がいるかは不明だが、私の感想は「なんだかワカラナイ」だ。多分麻生総理や担当大臣はこの件について国民向け(実質対マスコミ)に説明を行っているはずだが、全然伝わってないんじゃないのか?という疑問が生まれるばかり。

ちなみに抜粋の下の方にある注以降は「日本の財政措置は対GDP比では諸外国より厚いですよ」というアピールらしい。問題なのはその中身や効果であって、投資金額の多少は実は意味がない。官僚らしい国民を馬鹿にしたアピールに過ぎない

少なくとも昨今の政治や行政の不透明さの原因がこれだけで少し垣間見れる。それは政治家、マスコミ、官僚、国民という関係の中にありそう。

(1)政治家による政策の説明不足。「マスコミに説明しました」じゃ足らない。

(2)マスコミがちゃんとした内容を国民に伝えていない。夕方のニュースにグルメや激安情報を垂れ流すなら政策の一つ一つを詳細に報道すべきだろう。

(3)官僚は国民に分かるよう簡易な内容に噛み砕いていない。むしろ、国民が分からぬようにしている意図を感じる。

(4)我々国民の関心もひょっとして薄いかも。


なので次回以降、分かる範囲で調べて自分なりに検証してみたい。差し当たり、予算金額の多い「金融面での対策」を予定。
| category: 麻生内閣の経済政策の中身 | author : 小野雪風 |
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